姜尚中

15 11月

【姜尚中】姜尚中「元徴用工問題は、日韓だけの問題ではない」

1 名前:Ikh ★:2018/11/15(木) 09:15:42.29 ID:CAP_USER.net
 政治学者の姜尚中さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、政治学的視点からアプローチします。

*  *  *
 韓国の元徴用工への損害賠償をめぐる問題について考える前に、日韓国交正常化と元徴用工にまつわる合意ができた背景を知っておくべきでしょう。

 日韓の国交は1965年に正常化しました。請求権問題の解決は国交正常化の前提でもありましたから、この時点で元徴用工の補償問題は日韓請求権協定によって両政府ともに「完全かつ最終的に解決済み」という見解です。2005年に廬武鉉(ノムヒョン)政権が請求権協定を検討した際も、元徴用工の補償は韓国政府が取り組むべき課題だという解釈でした。時代とともに協定や条約を見直すことはあっても、一方的に行うことは国際秩序の崩壊につながり、許されることではありません。

 それだけに「韓国は国家の体を成していない」という声も聞こえてきます。しかし、パリ協定やイランをめぐる核合意から離脱したり、TPP参加を反故にしたりと、一方的な行為は米国もやっていることなのです。

 軍事政権時代の韓国は、三権分立というよりは政権の意向に即して国家が運営されていたため、民意を気にする必要もありませんでした。韓国の民主化から31年。今起きていることは「民主化のパラドックス」だと言えるでしょう。大法院が認めたのは徴用工個人の請求権です。「個」が尊重されるのが民主主義ですから、いつかは起こるべくして起きた問題とも言えます。

 日本政府が神経をとがらすのは理解できます。東南アジアで同様のことが起きた場合、また将来中国が民主化されて個人請求権が浮上してきた場合、深刻な事態になるからです。そうした懸念を払拭するためにも、消極的な拒否の姿勢だけでなく、事態を早めに打開する積極的な知恵をしぼる必要があります。具体的には、徴用工への損害賠償を担う財団をつくるというのも一つの案だと思っています。

 また、日本は日韓基本条約と請求権協定に準じ、北朝鮮とも国交正常化したいはずです。ところが今回のような韓国側の決定があると、これを北朝鮮が盾に取る可能性があります。日朝平壌宣言が履行されなければ拉致問題解決も進まず、日朝首脳会談も遠のくおそれがあります。元徴用工問題は、日韓だけの問題ではないのです。

ソース
AERAdot 姜尚中2018.11.14 07:00
https://dot.asahi.com/aera/2018111300021.html?page=2


引用元:http://awabi.2ch.sc/test/read.cgi/news4plus/1542240942

5 10月

【姜尚中】今夏の都知事選では口に出すのもはばかれれるような言葉で、在日、朝鮮人の排斥を叫ぶ候補に票が集まった

1 名前:ねこ名無し ★@\(^o^)/:2016/10/05(水) 13:10:34.20 ID:CAP_USER.net
 政治学者の姜尚中氏とフォトジャーナリスト安田菜津紀氏が相模原事件の深層に迫る後編。相模原事件の容疑者は、なぜ障害者問題を国家論にまで飛躍させたのか。「生産力思想」が「純化思想」と結びつくとき、ナチスドイツが第2次大戦下で引き起こした「エスニッククレンジング」(民族浄化)にまで至る危険性に論を進める。
 さらに、夏の都知事選で民主主義国家にあるまじきヘイトスピーチが突如湧き出て、それに多くの国民が支持を表明したのはなぜか。また、アメリカ大統領候補のドナルド・トランプ氏は、しきりにイスラム教徒への差別的な発言を繰り返している。このような差別の裏側にあるものを探った。

容疑者を隔離しようとする言説への違和感

安田 いま、大きな悪循環が生まれてしまっていると思うんです。今回の事件に特化していえば、容疑者がかつて精神的な病によって措置入院となって、その後2週間ほどで病院から出てきています。

 「なぜ彼を出してしまったんだ」「なぜもっと隔離をしておかなかったんだ」という言説が目立ちます。でもそんな言葉に対する違和感は強まるばかりです。

恐怖感が増大していったときに排他性が生まれる

安田 結局いろんな生きづらさを突き詰めていったときに、姜さんが『悪の力』にも書いていらっしゃった、「社会との分断、効率性というラインがあって、そこからこぼれ落ちてしまって、自分は社会からは必要とされない」という感覚が生きづらさを増幅して、何かの形で爆発してしまったときに、取り返しのつかない事件が起きてしまうかもしれない。

 そこで私たちは恐怖感をあおられたりするわけですよね。恐怖感が増幅していったときに、たとえば排他性が生まれたりですとか、何か大きな力に守ってもらいたい、という傾向が強くなったりしていくのかもしれない。

姜 その通りだと思うんですよ。相模原事件の容疑者の場合、一足飛びに国家に飛躍している。この点が非常に重要で、どこまで精神障害と関わっているのか。ある種これが「エスニッククレンジング(民族浄化)」になってしまうんですね。

 ナチスドイツがやったユダヤ人の大量殺りくは、史上最悪のエスニッククレンジングだったと思うし、それに近いものはヘイトスピーチにもある。アメリカではトランプ氏によって、ある種の宗教集団やヒスパニック系の特定の人に対してそういう発言が出る。ヨーロッパでも陰に陽にそういう問題が出てきている。

グローバル化が憎悪を拡散することに

姜 結局今起きていることは、グローバル化という現象を通じて、憎悪が広がり、それが僕たちに襲い掛かっている。かつてはグローバル化という言葉には、学者の世界ではオプティミスティック(楽観的)な響きがある時代があったんですよ。いいことじゃないかと。越境的になって、「ハイブリディティ(異種混交性)」というのが起こって、それがこれから先のひとつのトレンドになるんだと。グローバル化によって国民、国家の縛りが緩んでくるのではないのかと。

 そして僕なんかも、いくつかの領域がせめぎあっているけれど、それを複合的に生きる、「複合的アイデンティティ」みたいなものが生まれると思っていた。そのときちょっと僕は甘かったんですね。でも、マイノリティの立場の方からすると、グローバル化はひとつの国民国家やナショナリズムのあとにくる、国家の求心力をどんどん薄めていく、そういう力ではないかと。それが文化や人々の意識を変えていくと思われていた。

 でもいまはっきりしているのは、グローバル化で勝利するのは資本だけなんですね。資本だけが利潤追求のために、ありとあらゆる差異を一方で作り出しながら、一方で壊していく。資本というのは差異のあるところで増殖するわけです。

 例えば金利の違いをうまく活用して、日本の金利とアメリカのドル金利が違えば、そこをうまく活用して、安くお金を借りて、金利の高いところで儲ける。グローバル化は差異をどんどん縮減していくと思ったら、そうではなくて、壊しては差異を作り出し、またその差異を壊しては作り出す。資本だけが一番グローバル化している。しかし、人間や文化は、実はそうなっていない。

http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/yasuda_natsuki/100400010/
>>2以降に続く)

3 名前:ねこ名無し ★@\(^o^)/:2016/10/05(水) 13:10:56.30 ID:CAP_USER.net
>>1の続き)

ヘイトスピーチの背景にある閉塞感

安田 既存の国家の枠が薄まっているというお話をされたんですけど、いまの日本の中の傾向をみていくと、国境という絶対の境界でないものを、むしろ濃くしていくような、そんな息の詰まるような状況が増幅されているような気がするんです。

 今夏の都知事選でも、だれが都知事になるということより、ヘイトスピーチを繰り返している人がどこまで票を集めていくのかが気になりました。口に出すのもはばかれれるような言葉で、在日、朝鮮人の排斥を叫ぶ候補に票が集まっていく。

姜 10万以上は集めたのではないですかね。

安田 そうなっていましたね。

姜 外国人の留学生に対しても、留学へのスカラーシップをなくせという。ヨーロッパでもかなり近い現象がみられているんですが、日本の場合に特異なのは、ヘイトスピーチではなくてハラスメントだと思うんです。それが日本の場合、適度な範囲では収まっていない。

 それ以上にベースにあるのが、障害者に対する差別で、それが相模原の事件で色濃く出てきたと。やっぱり自分たちがどこか異質だという存在を特定していかないと、自分たちの存在が溶解していく。自分たちが憎んだり、否定したりしている存在がいることで自分たちがいることが確証できる、求心力が働く。そういうひとつのリアクションとして起きていて、個々の彼らがどうしているという問題もあるんだけど、それよりシステムとしてそういう状況が作られている。なので排除することが難しい。

安田 深刻な問題ですね。

なぜトランプ候補はイスラム教徒を排斥するのか

姜 日本はフォビア(「嫌悪」や「忌避」)を作って、それによって自分の存在を確かめようとしているけれど、実はこの20年間でグローバル化が一挙に進んで、その中で日本という国のポジションが非常に危うくなっていることの表れでもあるのではと思うんです。

安田 ポジションの低下がヘイトスピーチを招いていると。

姜 アメリカの大統領選挙で、ドナルド・トランプ候補がしきりにイスラム教徒を排斥しようとする言動を重ねているのも、アメリカという国の立ち位置が相対的に低下して、ある種の閉塞感がそこにあるからではと思うんです。

 僕は先日取材で中国の大連を訪れたんですけれど、そこで日本人排斥とか、運動として起きているかといえば、起きていない。もちろんネット上に反日的な言説はやられているけれど、もう一方でリアルな言動で一つの集団となって、向こうに住んでいる日本の人たちに対して、ヘイトスピーチが実際に誰かがある場所にきてやっているかといえば、それは起きていない。

中国の反日運動の真実

 かつて中国は反日運動というので、商店街、デパートに不買運動をしてやっていたが、あれは尖閣諸島を巡る問題と、北京政府がかなり煽り立てた部分があった。じゃあ、個別的に何かが起きているかというと、実はぜんぜん何も起きていない。

 僕が大連に行って改めて思ったのは、日本人と中国の地元の人との関係は人間的には非常に良好な関係ということです。だから、ヘイトスピーチがなぜ起きているかは、日本の閉塞感と日米関係を考えないと理解できないと思います。

【プロフィール】
姜尚中 (カン・サンジュン)
1950 年、熊本県熊本市に生まれる。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。国際基督教大学助教授・準教授、東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授、聖学院大学学長などを経て、現在東京理科大学特命教授。今年1月から熊本県立劇場館長に就任。4月から長崎県諫早市の鎮西学院で教育顧問も務める。専攻は政治学、政治思想史。テレビ・新聞・雑誌などで幅広く活躍。

安田 菜津紀(やすだ・なつき)
フォトジャーナリスト 1987年神奈川県生まれの29歳。studio AFTERMODE所属。シリア、イラク、ヨルダン、ウガンダなど、東南アジア、中東、アフリカの取材を進める。日本国内でも東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。2012年、「HIVと共に生まれる -ウガンダのエイズ孤児たち-」で第8回名取洋之助写真賞を25歳で最年少受賞。現在は日曜朝の報道番組「サンデーモーニング」(TBS系列)に月2回コメンテーターとして出演。ラジオ番組「JAM The World」(J-WAVE)では毎週水曜のパーソナリティを務めている。上智大学総合人間科学部教育学科卒。

(おわり)


引用元:http://awabi.2ch.sc/test/read.cgi/news4plus/1475640634

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