【朝鮮日報】　　「輸出品に太極旗を付けてください」　　　　　　という海外バイヤーまで増えているという　

あるグローバル・コンサルティング会社の韓国事務所には、ここ1カ月の間に韓国でのコロナ対応法についての問い合わせが世界数十カ国から相次いでいるという。

韓国製診断キット、「ドライビング・スルー」コロナ検査から企業におけるコロナ対処法、ITを活用したコロナアプリに至るさまざまな疑問について、昼夜にわたり回答し説明するため本業も後回しにするほどだったという。

米国最大のスポーツチャンネル・ESPNが先日開幕した韓国のプロ野球リーグを初めて米国全土に生中継した。1日に1試合ずつ、週6回中継するという。米国の野球ファンにとって最大の関心はメジャーリーグだが、猖獗（しょうけつ）するコロナの影響で米国ではいつ試合が開催されるか分からない。

その恩恵が韓国プロ野球に回ってきた。ESPNのホームページには「コロナ・パンデミックの渦中に初めて開催される主要なプロ野球リーグ」という説明とともに、韓国社会におけるコロナ対応の記事も伝えられた。

5日付の日本経済新聞1面に「アナログ行政、遠のく出口」という見出しの科学技術部長のコラムが掲載された。

このコラムは「素早く感染を防いだ台湾と韓国の成功要因には、ビッグデータとスマートフォンの積極的な活用があった」と紹介し「保健所の職員が電話などで患者に問い合わせる日本の対策はアナログ」と指摘した。20世紀の日本の成長を支えた行政システムが、21世紀のデジタル転換には逆に障害になっているというのだ。

海外に行けば「中国人か、日本人か」とよく聞かれる。疾走する中国、早くから先進国になった日本の間に挟まれているのが韓国だった。経済だけではなく、国のイメージでもそうだった。コロナ以降、この東北アジア3国のイメージが少しでも変わってほしいと思う。

フランスの知韓派知識人、ギ・ソルマン氏は昨日ユーチューブでのインタビューで「これまで韓国について『携帯電話や大型船舶を上手に作る』『若者の音楽や映画が良い』といった断片的なイメージしかなかったが、（コロナをきっかけに）突然この全てが結合し、総体的なイメージが形成され、韓国をみつめる視線が完全に変わった」と述べた。

輸出製品に太極旗を付けてほしいという海外バイヤーまで増えているという。韓国製診断キットが脚光を浴び、医療先進国であることが知られることで「メード・イン・コリア」のブランド価値が一気に高まったおかげだ。

1997年のアジア通貨危機、2008年のリーマン・ショックなど、10年ごとに訪れた危機は韓国経済にとって「偽装された祝福」でもあった。苦痛ではあったが、危機を足台に国家は一段階ずつ飛躍した。今回のコロナショックもチャンスになるかもしれないし、必ずそうしなければならない。


朝鮮日報／朝鮮日報日本語版　2020/05/10 12:00
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